軽井沢での作業

2025年4月23日

長野県 軽井沢 での作業です。

モミの巨樹を管理させていただいております。

長い間生きている樹木は何かしら障害を抱えています。人と同じですね。
人間おり社会ですので人の生活に被害をも与えないようにすることはアーボリストに使命の一つと思います。

1回目は
モミは幹に腐り(腐朽:菌に食べられて支持力が低下する状態)が見られています。
そのために大きな枝を剪定し重心を幹の中心に持っていきました。
枝の先には葉がありそこで樹木は栄養を作っています。そのために葉がなくなると樹木は極端に弱ります。
当たり前ですよね。人で言えば収入源がなくなるようなものです。

枝を切りましたので樹勢の低下や風の動きなどで幹に新しい傷が入ってないかの調査を行い、大丈夫でしたので
2回目主幹を約3mさげて将来主幹になる枝に太陽光を当てて光合成を行わせて成長具合を見ました。
また、重心も変わってきますので枝を剪定して重心を調整しました。

そして、今回が3回目になります。
将来主幹になる枝がしっかり光合成を行い成長が良いこと、現在、主幹部分に腐朽部分は進行していない状態であることなどを考慮して今回の作業になりました。
今回は主幹を約5m下げて完全に主幹を変える作業になります。

樹冠を変化することによりそれぞれの枝や幹にかかる力が変化してきますので今後もしっかり観察していきたいと思います。

大きくブツ切りにすることは可能ですが、それだと大きく切ったところより腐朽が進行して将来的に危険木になったり根茎のが萎縮して支持力に低下が見られたりします。

樹木は全く喋りませんので樹木の生理生体を少しでも理解して将来に樹木という財産を残せるようにできればと考えます。